「面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則」2011年03月16日 19時41分01秒

「面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則」

図書の紹介。著者は本田直之。
2009年1月25日発行 大和書房。

だれも「面倒くさい」という状態がある。
だからほっておく。すると、時間が経つと「面倒くさい」ことが大きくなってくる。
「気がかり」でストレスは増え、解決するための時間と労力が膨大になってしまう。

プロジェクトマネジメントでは、課題管理、問題管理をする。
さらには、リスクマネジメントでは問題を先読みする。
問題やリスク要因が小さい内に解決を目指す。問題を先送りしない。
問題を後処理すると問題はさらに大きくなり、解決の手間がかかる。お金もかかる。

面倒だから発明が生まれる。
「馬で移動するのは面倒くさい」から自動車が誕生。
「商店街を歩き回るのは面倒くさい」からスーパーマーケットが誕生。
「カセットやCDを持ち歩くのは面倒くさい」からipodが誕生。

「面倒くさいから、あえて小さい面倒くさいをやっておく」

著者は55の法則を挙げている。以下はピックアップしたもの。
1.目標をつくる
 旅行で行きたい場所を決める。人生でなりたい自分を決める。
 目標がないと、あとで「面倒くさい」ことが起こるから。
2.相手の話を聞く
 交渉の場で、聞かれていないことを話すと手の内を明かすことになる。
 相手の要望を聞きながら、一枚づつカードを切っていく。
3.やる気をさげない
 やる気を失っても誰ひとり得をしない。自分が損するだけ。
 やる気が出ないときほど、動いてみる。小さいことからスタートする。
4.変えられないものに執着しない
 電車が遅れたら、時間ができたと気持ちを切り替え読書する。
5.できない理由を考えない
 できない理由を考える(言い訳をする)。
 できる理由を考える(工夫をする)。
 プラス思考の癖を付ける。

6.運を上げない
 運を上げることはできない。運をつかむことはできる。
 運はチャンスのこと。
 チャンスを見逃さない方法は目標を明確にすること。
 目標があれば、関連する情報を勝手に集めてくる(カラーバス効果)。
7.メモをする
 小さなアイデアを逃さず育てる。
 メモの習慣は「考えるモード」、書きながら考える。
8.グチらない
 グチは解決策のない言葉。
 愚痴の前にトレーニングと思う。解決策を考え行動に移す習慣をつくる。
9.人のせいにしない
 自分の外にある原因は改善できない。
 原因を中に求めれば改善の余地がある。
10.見返りを期待しない
 自分は相手に対してどんな貢献ができるか。
 どんな情報を共有して、どんな価値を提供できるか。

11.時間を大切にする
 お金は増やすことはできるが、時間は増やせない。
 時間を節約するためにお金をかける。
 自己投資へお金をかける。
12.定位置をきめる
 探し物に困らない。
 究極の整理整頓は捨てること。
13.全部予約する
 予約することは、自らスケジュールを決めることを意味する。
14.マニュアルを熟読する
 便利な新機能を使いこなすため。
15.我流でやらない
 専門家の指導を仰ぐ。

16.調べつくす
 事前に対策を練ることは自分でコントロール可能。
 あとからやってくる面倒はコントロール不能。
17.二度と同じことをしない
 チェックリストをつくる。
 手続きの仕組み化。
18.お手本を見つける
 第三者を想定することで物事を客観的に見つめられる。
 手本となる人(ロールモデル)が行動規範となる。
19.外にでる
 専門外の時間をつくる。
 仕事以外の人脈を広げる。
20.遅刻しない
 早目にでかかる面倒と遅刻の面倒。精神的に疲れる。
 待ち時間は隙間時間で自己投資の時間。

「面倒くさいから何もしないのではなく、面倒が起こらないように工夫する」
以上

(株)ワイ・ティー・エムコンサルティング 土谷政則
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html

「主体的に動く」(その4)2010年05月08日 23時13分09秒

「主体的に動く」(その4)

図書の紹介のつづき。「主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント」

すべては自分次第だと、誰もが本当はわかっている。
いくら無視しようとしても、振り払おうとしても、結果の鍵を握るのは自分。
心の底では、自分が間違えたりへまをしでかしたときに、他人のせいにしてはいけないということもわかっている。
どんな人生を送るか、どんな幸せを手に入れるかはすべて自分次第なのだと、誰もが本当はわかっている。

ビジネスにおける成功に関しては、ひとつのシンプルな原則がある。
ビジネスは、行き詰るか結果を出すかのどちらかである。それ以外、何もない。

継続的な改善、イノベーション、顧客満足度の向上、チームワーク、能力開発、コーポレートガバナンスの推進・・・。
興味深いことに、本質を突き詰めると、個人が現状を打破し、求める結果を得るまで何でもやる(もちろん倫理が許す範囲で)ことに帰結するのだ。

失敗を正当化しようとする言葉は、「自分にできること」ではなく「なぜうまくできなかったか」に焦点を合わせる。
自分の力ではどうにもならないことは、絶対にある。
必ずしも、努力や責任意識が欠けていたせいで結果が伴わないとは限らない。
だが、最悪な状況だからといって、無力感に打ちひしがれ、自分の不幸を他人のせいにしているだけでは前に進めない。
どんな状況であれ、自分の状況を受け入れて、より良い結果を導き出す責任を引き受けないと、何ひとつ始まらない。
ともかく、何としても<ライン上>に行かなければならない。

「組織の業績に対し、自分はどのような貢献ができるのだろう?」(ピーター・ドラカー『経営者の条件』
このドラッカーの命題を常に自分に問いかけるような、高いアカウンタビリティをはぐくむ企業文化を創る必要がある。

「規律の文化と起業家の精神を組み合わせれば、優れた結果をもたらす魔法の妙薬となる」(ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニー2』
規律の文化と起業家の精神を組み合わせた社内環境をつくるのは社員である。

本書では、「<ライン上>の行動を身につけて求める結果を得るために、自分には他に何ができるか?」。
(つづく)

(株)ワイ・ティー・エムコンサルティング 土谷政則
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html

「主体的に動く」(その3)2010年05月06日 11時10分15秒

「主体的に動く」(その3)

図書の紹介のつづき。「主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント」

リーダーたちは、魔法使いを求め続けている。
低コストで生産性向上、競争力アップで市場シェア拡大、新市場への参入、現状改善、イノベーションなど。
ドロシーたちのように、魔法使い探しの冒険の旅にでる。
だが、何も起こらない、すべては偽りだったと気づく。

組織の構造や特性、事業の規模や内容がどうであろうと、最新の戦略をいくら取り入れようと、事業をどれだけうまく立て直そうと関係ない。
望む結果を生むのは自分自身の責任だと、一人ひとりが自覚しない限り、組織の成功は長続きしない。

ドロシーたちが最後に気づいたように、自分の置かれていた状況を乗り越えて望む結果を手に入れるパワーや能力は、あなた自身にある。

いくら最新の経営理念やテクニックを取り入れても、人や組織の業績を向上させる基本原則をないがしろにしては意味がない。

被害者意識が企業を滅ぼす。
被害者ぶっていては、成長も発展も望めない。
一本のラインが成功と失敗を分ける。

ラインの下は、言い訳、他人に対する非難、混乱、あきらめの態度、様子を見る、自分の仕事ではない、無視する、否定する、責任の押し付け合い、言い逃れ。
ラインの上は、現実認識、当事者意識、コミットメント、問題解決、断固たる行動。

人も組織も、意識いていようと無意識であろうと、結果に対する責任を回避しようとすれば、必ず<ライン下>の考え方や行動になる。
(つづく)

(株)ワイ・ティー・エムコンサルティング 土谷政則
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html

「主体的に動く」(その2)2010年05月05日 18時56分41秒

「主体的に動く」(その2)

図書の紹介のつづき。「主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント」
まずは、「オズの魔法使い」のストーリー。
カンザスに暮らしていた少女“ドロシー”は、竜巻に襲われ、愛犬の“トト”と家ごと飛ばされてしまう。
知らない国に着き、善い魔女にカンザスへ帰る方法を教えてもらう。
それは、都のエメラルド・シティへ行って、大魔王使いのオズに頼むこと。
そこで、エメラルド・シティへ向かう。
途中で、脳みそが欲しい“かかし”、ハートが欲しい“ブリキの木こり”、勇気がほしい臆病な“ライオン”と出会い、みんなそれぞれが欲しいものをオズにもらおうと、旅の仲間に加わる。

エメラルド・シティでオズに願いを伝えると、悪い魔女を退治すれば願いをかなえてやろうと言われる。
苦難の末、魔女を倒し再びオズに会うと、オズの正体はただの老人だった。
しかし、ドロシーたちは自分の望みをかなえることができた。

「自分の望みをかなえられるのは自分だけ」
自分の望みをかなえられる力は自分の中にある、という気づきを手に入れるまでの旅を描いている。
気づくまでには、旅が必要だった。
無知から気づきへ、臆病から勇敢へ、停滞から活動へ、被害者意識からアカウンタビリティへと移動する物語のテーマに読者は感動する。
自分の人生で同じような旅をしてきたから。

「立ち止まってはいけない」
「自分の置かれている状況を他人のせいににしてはいけない」
「魔法使いが魔法をかけてくれるのを待っていてはいけない」
「自分の抱える問題がいつか消えると期待してはいけない」
この物語からの教訓は様々だが、その教訓をしばしば忘れてしまう。

事業の失敗は経営者のミスが原因であることが多いが、その事実を認めるCEOや経営陣は多くない。
資金不足、社員の能力不足、ライバル企業の妨害などの言い訳を並べる。
自ら犯した失敗の責任から逃れるのではなく、成功へ続く道に戻るには、結果に対する責任を自分のものとして受け入れるしかない。
(つづく)

(株)ワイ・ティー・エムコンサルティング 土谷政則
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「主体的に動く」(その1)2010年05月04日 20時02分12秒

「主体的に動く」

図書の紹介。「主体的に動く アカウンタビリティ・マネジメント」
ロジャー・コナーズ トム・スミス クレイグ・ヒックマン著
監訳:伊藤守 訳:花塚恵
発行:株式会社 ディスカヴァー・トゥエンティワン
2009年9月10日第1刷 \1800

本の帯には、「『オズの魔法使い』をもとに説く、21世紀の経営の神髄!」とある。
原題は「THE OZ PRINCIPLE」(オズの原則)
どうすれば社員はもっと主体的に動けるのか?
変革とスピードの時代、勝敗を決めるのは社員一人ひとりのアカウンタビリティの育成だ!

従来の“アカウンタビリティ(accountability)”の日本語訳を“説明責任”と意識していたが、どうも違いがありそう。
似た言葉に、“レスポンシビリティ(responsibility)”があるがこれは“責任、責務”。
本の中で、「アカウンタビリティとは、主体的に自ら進んで仕事や事業の責任を引き受けていくという意識」とある。
辞書は「説明(報告)義務、責任範囲、説明責任(成果を出し、説明する責任)」とある。
さらに、「responsibilityは注意や管理に重きがある」とも。

ちょっと前に、“指示待ち”という言葉が流行した。
社員自身が自ら考えて行動できなく、上司からの指示を待っている状況を言っていた。
このような状態を改善するのが“アカウンタビリティ・マネジメント”ということと理解した。
わかりやすく、“オズの魔法使い”のストーリーを参考しながら、マネジメントを解説している。

では、本の中から気に入ったフレーズを紹介する。
(世の中にいろいろな成功理論や実践モデルがあるけれど)どの理論もモデルも、肝心なことを言い忘れている。
成果は、その達成の責任を引き受けて、初めて生まれるものである。

 成果をあげることを「自分の責任」として受け入れれば、業績は必ず向上する。
 
 人は本来、責任を負いたいものだ。責任を負うことで、意欲と向上心が高まる。それが大きな力となって素晴らしい結果を生む。

 「自分は悪くない」 自分を被害者だと思い込み、被害者ぶった態度に出る人がビジネスの世界には数多く存在する。個人の成果、組織の成果を飛躍的に向上させるには、<被害者意識の悪循環>を克服し、ここで述べる<アカウンタビリティのスッテップ>をのぼらねばならない。

(株)ワイ・ティー・エムコンサルティング 土谷政則
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html