「望みをかなえる脳」(前編) ― 2009年03月14日 10時35分33秒
桜の開花予想がニュースになり始めました。
寒さや一時の太陽の恵みをありがたく感じながら、確実に季節は巡って来ます。
図書の紹介です。
「望みをかなえる脳」林 成之著 サンマーク出版
著者は、脳神経外科医です。
脳ブームでいろいろな本が出版されています。
脳は一番解明が遅れている臓器で、その働きは不思議なことが多いそうです。
人間の性格は、血液型で決まるのではなく、実は脳の中のどの神経伝達物質(ホルモン)を使っているかによって決まる。
「ドーパミン」は人間の意欲や活力の源となる「活性系」のホルモンです。
「セロトニン」は「癒し系」で安静、安心を促す作用があるので、行動は慎重で内向的になる。
心と脳の働きは連動していて、性格のいい人は脳の働きがよく、頭もいい。逆も言えて、ほんとうに頭のいい人は優れた心の持ち主でもある。-こういう双方向に富んだすごいメカニズムが脳の中には存在している。
人間の能力というのは「一気に駆け上がる」もので、最も調子が高まったときや記録の伸び盛りのときにこそ、さらに急激に伸ばしていける、そういう加速度的な性質をもっているから。
「勝った」「やった」という達成感や完結感を覚えたとたん、脳はその新しい情報にしたがって、高い緊張感や集中力に支えられていた運動能力を一気に緩ませてしまう。
ゴールだと思ったそこから、さらに一歩も二歩も「ねじ込む」ような強い気持ちを維持し続けること。
仕事やビジネスにおいて、たとえどんな大きな成果をあげたとしても、「やり遂げた」「これで十分」といった達成感に身をひたすのはタブー。そうしたゴール意識は脳科学上、目標や望みをかなえるためにはマイナス作用をもたらす「否定語」としてしか働かない。
「仲間意識」を高めることでチームワークを結集すると同時に、メンバー個々の能力も最大限に発揮できる組織づくりをめざした。そのために、メンバーはいつも明るく前向きな姿勢でそれぞれの仕事に取り組み、「むずかしい」とか「疲れた」といった“否定語”を使わないようにした。
知能と感情、脳と心が密接な関係を保っている。百マス計算やら脳トレーニングもそれなりの意義があるが、それより人を好きになったり恋をしたりすることのほうが、思考能力を高める方法としては非常に有効である。
仕事で卓越した力を発揮したかったら、知識や情報を集めて対処することも大切ですが、それと同時に明るく前向きな姿勢で仕事に取り組む、手を抜かず精いっぱいの努力を惜しまない、人とのコミュニケーションを積極的にとる、相手を思いやる気持ちを忘れない。心をよく働かせること、人間性を磨くこと。
頭のよさの発生源となる神経の連合体がある。この神経群を刺激するような行為を努める。たとえば、「おもしろい」「興味がある」「好きだ」「意欲をかきたてられる」「感動した」などと思いながら仕事をする、勉強をする。そうすることによって、それぞれの神経群が活性化されて考える能力は高まる。
心の持ち方、働かせ方しだいで私たちの考える力は大きく伸長もすれば、減退してしまう。たとえば、感動して人の話を聞く。これだけでも話の内容の理解度や把握度は変わる。記憶力もよくなり、そこから新しい独創的な考えも生まれてきやすくなる。感動は脳にとっても非常に大きな活性要因となる。ポジティブシンキングの大切さは脳科学的にも十分に根拠があること。
(つづく)
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html
寒さや一時の太陽の恵みをありがたく感じながら、確実に季節は巡って来ます。
図書の紹介です。
「望みをかなえる脳」林 成之著 サンマーク出版
著者は、脳神経外科医です。
脳ブームでいろいろな本が出版されています。
脳は一番解明が遅れている臓器で、その働きは不思議なことが多いそうです。
人間の性格は、血液型で決まるのではなく、実は脳の中のどの神経伝達物質(ホルモン)を使っているかによって決まる。
「ドーパミン」は人間の意欲や活力の源となる「活性系」のホルモンです。
「セロトニン」は「癒し系」で安静、安心を促す作用があるので、行動は慎重で内向的になる。
心と脳の働きは連動していて、性格のいい人は脳の働きがよく、頭もいい。逆も言えて、ほんとうに頭のいい人は優れた心の持ち主でもある。-こういう双方向に富んだすごいメカニズムが脳の中には存在している。
人間の能力というのは「一気に駆け上がる」もので、最も調子が高まったときや記録の伸び盛りのときにこそ、さらに急激に伸ばしていける、そういう加速度的な性質をもっているから。
「勝った」「やった」という達成感や完結感を覚えたとたん、脳はその新しい情報にしたがって、高い緊張感や集中力に支えられていた運動能力を一気に緩ませてしまう。
ゴールだと思ったそこから、さらに一歩も二歩も「ねじ込む」ような強い気持ちを維持し続けること。
仕事やビジネスにおいて、たとえどんな大きな成果をあげたとしても、「やり遂げた」「これで十分」といった達成感に身をひたすのはタブー。そうしたゴール意識は脳科学上、目標や望みをかなえるためにはマイナス作用をもたらす「否定語」としてしか働かない。
「仲間意識」を高めることでチームワークを結集すると同時に、メンバー個々の能力も最大限に発揮できる組織づくりをめざした。そのために、メンバーはいつも明るく前向きな姿勢でそれぞれの仕事に取り組み、「むずかしい」とか「疲れた」といった“否定語”を使わないようにした。
知能と感情、脳と心が密接な関係を保っている。百マス計算やら脳トレーニングもそれなりの意義があるが、それより人を好きになったり恋をしたりすることのほうが、思考能力を高める方法としては非常に有効である。
仕事で卓越した力を発揮したかったら、知識や情報を集めて対処することも大切ですが、それと同時に明るく前向きな姿勢で仕事に取り組む、手を抜かず精いっぱいの努力を惜しまない、人とのコミュニケーションを積極的にとる、相手を思いやる気持ちを忘れない。心をよく働かせること、人間性を磨くこと。
頭のよさの発生源となる神経の連合体がある。この神経群を刺激するような行為を努める。たとえば、「おもしろい」「興味がある」「好きだ」「意欲をかきたてられる」「感動した」などと思いながら仕事をする、勉強をする。そうすることによって、それぞれの神経群が活性化されて考える能力は高まる。
心の持ち方、働かせ方しだいで私たちの考える力は大きく伸長もすれば、減退してしまう。たとえば、感動して人の話を聞く。これだけでも話の内容の理解度や把握度は変わる。記憶力もよくなり、そこから新しい独創的な考えも生まれてきやすくなる。感動は脳にとっても非常に大きな活性要因となる。ポジティブシンキングの大切さは脳科学的にも十分に根拠があること。
(つづく)
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html
「望みをかなえる脳」(後編) ― 2009年03月17日 04時39分43秒
図書の紹介のつづきです。
「望みをかなえる脳」林 成之著 サンマーク出版
著者は、脳神経外科医です。
最近では、政治の世界でリーダの進退についての議論が盛んです。この本には、組織とリーダについての話題もあります。
人間の脳は自分を守ろうとするすぐれた仕組みをもっているが、その自己防衛反応が行きすぎると、逆に自分を傷つける方向に向かってしまう。
自分を守るために自分の失敗や間違いを隠そうとする。また、自らの保身のために他の人の失敗や間違いに対してことさら非寛容な態度をとる。
まして組織のリーダーが自己防衛を優先させたら、その組織はガタガタになってしまう。
脳科学の面から見れば、組織のリーダというのは、その必要条件として「自分を捨てる」ことができなくてはならない。自分を捨てる、自分を殺す。そうすることで組織の目的を大切にし、それに向かって力を発揮する部下たちの力を引き出し、その能力を伸ばす。そういう自己防衛とは反対の振る舞いや方法論が指導者には必要になってくる。
個人が自分の間違いや失敗を隠そうとするのは、それを口に出せないなんらかの理由が組織の側にある。逆に言えば、個人がそれを「言いやすい」環境をつくり出してやること。そこにこそリーダーの役割がある。そのような風通しのいい組織であれば、個人がいきいきと働けて、組織全体のパフォーマンスも高まるはず。
自己保存本能も過剰に働くと(脳の防衛反応と同じように)自他への攻撃性を生んでしまう。自分の存在を危うくする他者の存在などを排斥しようとして、「やられる前にやっつけてしまおう」という攻撃性が自然にわいてくる。
自己防衛の欠点をを克服する手段は、2つある。1つは、相手の「失敗を許す」寛容さ。もう一つは、自分で「自分の弱点を認められる」素直さ。
自分に不利なマイナス面を自分で素直に認められる。その内容を自分で正確に指摘できる。人間にとって重要な能力である。自己中心性を抑えて、不平や不満などの感情をコントロールする。
自分のマイナス面を客観的に口にできるのは、その人の「強さ」を表している。強い人は自分の弱みを直視できるが、弱い人は自分の弱さから目をそらそうとする。
「統一・一貫性」という脳の働きがある。思考性も似たような考えは次々と思いつくが、新しい発想を生み出すことが難しい。「統一・一貫性」の呪縛から逃れる方法としては、「異なる視点を導入する」方法がある。複数の専門分野をもつこと。そのためには「人の話をよく聞く」こと。三対七で相手の話の方をよく聞くように努める。
運動能力は脳の働きに基づく知的能力である。運動神経を高め、スポーツの能力を向上させようと思ったら、心や知識の働きを活発にすればよい。つまり、明るく前向きな思考をする、常に興味ややる気をもって行動する。何に対しても楽しむ気持ちをもち、感動をもって接するといった「心の努力」を怠らないこと。
嫌いな人の話を脳が受け付けないのは、自分を守りたいという本能があるから。相手の話を受け流すことで自分自身を守ろうとする。
私たちがつい、ほめるよりも叱る指導や教育をしてしまいがちなのは、相手をほめることで自分を下位に置くような心理が働くことに一因がある。反対に、相手を叱ることで自分を優位に置け、優越感を満たせるから。部下を叱ることで自分のアイデンティティを保てるように感じる上司がいるのもそのためである。それだけ、ほめることは難しく、人間の器量、力量を必要とされる行為なのである。
いやしくも人を育てようとするなら、その努力を怠ってはいけない。叱るだけ、怒るだけの上司は上司の特権を一方的に行使しているにすぎない。叱るのなら、返す刀でほめる努力もしなくてはならない。それが指導者の立場にある人間の義務でもあり責任でもある。
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html
「望みをかなえる脳」林 成之著 サンマーク出版
著者は、脳神経外科医です。
最近では、政治の世界でリーダの進退についての議論が盛んです。この本には、組織とリーダについての話題もあります。
人間の脳は自分を守ろうとするすぐれた仕組みをもっているが、その自己防衛反応が行きすぎると、逆に自分を傷つける方向に向かってしまう。
自分を守るために自分の失敗や間違いを隠そうとする。また、自らの保身のために他の人の失敗や間違いに対してことさら非寛容な態度をとる。
まして組織のリーダーが自己防衛を優先させたら、その組織はガタガタになってしまう。
脳科学の面から見れば、組織のリーダというのは、その必要条件として「自分を捨てる」ことができなくてはならない。自分を捨てる、自分を殺す。そうすることで組織の目的を大切にし、それに向かって力を発揮する部下たちの力を引き出し、その能力を伸ばす。そういう自己防衛とは反対の振る舞いや方法論が指導者には必要になってくる。
個人が自分の間違いや失敗を隠そうとするのは、それを口に出せないなんらかの理由が組織の側にある。逆に言えば、個人がそれを「言いやすい」環境をつくり出してやること。そこにこそリーダーの役割がある。そのような風通しのいい組織であれば、個人がいきいきと働けて、組織全体のパフォーマンスも高まるはず。
自己保存本能も過剰に働くと(脳の防衛反応と同じように)自他への攻撃性を生んでしまう。自分の存在を危うくする他者の存在などを排斥しようとして、「やられる前にやっつけてしまおう」という攻撃性が自然にわいてくる。
自己防衛の欠点をを克服する手段は、2つある。1つは、相手の「失敗を許す」寛容さ。もう一つは、自分で「自分の弱点を認められる」素直さ。
自分に不利なマイナス面を自分で素直に認められる。その内容を自分で正確に指摘できる。人間にとって重要な能力である。自己中心性を抑えて、不平や不満などの感情をコントロールする。
自分のマイナス面を客観的に口にできるのは、その人の「強さ」を表している。強い人は自分の弱みを直視できるが、弱い人は自分の弱さから目をそらそうとする。
「統一・一貫性」という脳の働きがある。思考性も似たような考えは次々と思いつくが、新しい発想を生み出すことが難しい。「統一・一貫性」の呪縛から逃れる方法としては、「異なる視点を導入する」方法がある。複数の専門分野をもつこと。そのためには「人の話をよく聞く」こと。三対七で相手の話の方をよく聞くように努める。
運動能力は脳の働きに基づく知的能力である。運動神経を高め、スポーツの能力を向上させようと思ったら、心や知識の働きを活発にすればよい。つまり、明るく前向きな思考をする、常に興味ややる気をもって行動する。何に対しても楽しむ気持ちをもち、感動をもって接するといった「心の努力」を怠らないこと。
嫌いな人の話を脳が受け付けないのは、自分を守りたいという本能があるから。相手の話を受け流すことで自分自身を守ろうとする。
私たちがつい、ほめるよりも叱る指導や教育をしてしまいがちなのは、相手をほめることで自分を下位に置くような心理が働くことに一因がある。反対に、相手を叱ることで自分を優位に置け、優越感を満たせるから。部下を叱ることで自分のアイデンティティを保てるように感じる上司がいるのもそのためである。それだけ、ほめることは難しく、人間の器量、力量を必要とされる行為なのである。
いやしくも人を育てようとするなら、その努力を怠ってはいけない。叱るだけ、怒るだけの上司は上司の特権を一方的に行使しているにすぎない。叱るのなら、返す刀でほめる努力もしなくてはならない。それが指導者の立場にある人間の義務でもあり責任でもある。
YTMC http://www.ne.jp/asahi/ytmc/home/index.html
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